就業規則を含め旧明治製菓の影響を強く受けていて、明治に統合された後も同じ人事制度を続けていました。例えば、1日に1分でも出社したら普通の出勤日になるなど。さらに2012年に改定された昇格制度が実際には守られていないことも確認しました。こんなことでは従業員の士気に関わると危機感を抱き、変更できるところから手直しを開始しました。

パートの採用

 パートさんは大切な戦力です。その採用を片手間にやっていました。現場の係長クラスに集団面接させ、質よりも勤務時間を重点に採用していました。そのせいか数日で辞める人が後を絶ちませんでした。道南食品のように季節変動が激しい会社では非正規社員の活用なしに経営はできません。そこで課長クラスが人物本位で採用するよう変更しました。

パート時給の変更

 2015年9月、三年ほど時給アップをしていないとのことでしたので、パートさんの評価を厳密に行い、約半分のパートさんの時給を改定しました。社員、契約社員が毎年昇給しているのに長く働いているパートさんの時給をあげないのは片手落ちです。

社員登用

 2015年10月、契約社員やパートさんで正社員になりたい人がいるとの話を聞きましたので正式に募集することにしました。初回は残念ながら合格者はありませんでしたが、翌年は藤田さんが合格しました。

いじめ問題

 2015年3月のある日、私宛に署名入りの封書が届きました。退職したパートさんからの手紙でした。内容は工場内のいじめの告発でした。名指しの指摘でしたので確認したところ、ほぼ事実であることが判明しましたので、朝礼でいじめや乱暴な言葉遣いを改めるよう諭しました。またいじめの事実と私の見解を文書にして掲示しました。

1直3直を1直2直に変更

 道南食品は繁忙期に、3直24時間のフル生産体制をとります。優先順位は8時からの1直、次が夜11時からの3直でした。従って2直が最後のシフトでした。朝、出勤すると、青白い顔で疲れきった人がゾロゾロと歩いているのに驚きました。夜が明けてから帰るのは身体に悪いのは間違いありませんので、できるだけ3直は止めるべきだと考えました。2015年1月、これを1直、2直、3直の順に変更しました。アンケートをとったところ、夕方5時のパートさんがたくさん辞めるとの結果でしたが、「深夜手当が減るので辞めるとは言ってはいるが、ほとんど辞めない」との通報がありましたので強行しました。これにより、深夜手当と深夜タクシー費用が、年間で200万円程度削減されました。

組織変更

 冒頭にも書いた通り、会社が分断していました。製造部内でもチョコレートとキャラメルは別の会社のように独立していました。そこで2015年4月、まず包装の融合をはかるためにキャラメル包装のM係長とチョコレート包装の守山係長を交代させました。それぞれの係長に好きな部下を2名連れて行くことを認めました。新職場で孤立することを防止するためです。また製造のUYさんとDさんをグループ長に昇格させ、数人をキャラメルからチョコレート製造に異動させました。しばらくすると組織間の心理的な壁がなくなり、お互いに人の貸し借りをするようになりました。パートさんもそれに従い自由に補完できるようにしました。生産量によりフレキシブルに要員を移動させる仕組みがなければ生産効率はあがりません。

Uグループ長の更迭

 当時、工場内の序列は花村製造部長に、製造グループ長としてUさんが君臨していました。Uさんは他の係長より年下ですが、上司の受けが良く出世頭でした。しかし、パートさんを含めた従業員の評判は芳しくありませんでした。そこでUさんとパートさんの食事会を行い直接対決させました。結果、説明はしどろもどろになり最後は開き直るという始末でした。管理職としての再教育の必要性を強く感じ、2015年4月に企画グループに異動させました。仕事は「目標管理制度の改良と定着」のみでした。3ヶ月後、突然、辞表を提出して退職しました。将来を期待しての異動でしたのでショックでした。「私は数年後にこの会社からいなくなる、私が嫌いなら、しばらく我慢すればいいではないか」と慰留しましたが、意志は固く、7月に退職しました。

年俸制から賞与制に

 道南食品は課長以上の幹部社員に年俸制を適用していました。業績の変化に対して支払い金額を増減できず、場合によっては人件費による赤字を招く恐れがありました。経営の安全をはかるために年俸制から元の賞与制に戻しました。管理職の無言の抵抗は感じましたが、会社存続のためであると説明して強行しました。2015年6月の管理職賞与を全員半額にして黒字を確保しました。管理職の収入は業績に応じて払うことを理解させるためでもありました。

組合との交渉

 組合に対しては春闘で一年の賞与を決めるのではなく、春闘と秋闘の二回交渉を提案しました。儲かればもっと払う、儲けに応じて賞与を払うのが私のやり方だと説得しました。組合にこの仕組みを受け入れていただきました。協力的な組合に深く、深く感謝しています。

最近の人事

2016年10月、花村製造部長、異動に伴い、上野矢課長を製造部長補佐に任じました。

2017年1月、会計、給与のバックアップのために、新入社員の藤田さんを業務部所属としました。

3月、工務が手薄でしたので、包装管理からNさんを技術部に異動させました。

 4月、業務の将来を考えて、Yさんを次長に昇格させました。開発グループ増強のため、Hさんを係長に昇格させました。同時にグループ長に任じました。労務管理を円滑にするために、Kさんを係長に昇格させました。札幌営業員としてTさん、開発グループ員としてYさんを新規採用しました。函館の営業担当が不在になったので、包装管理から
Kさんを営業部に異動させました。